陥没乳頭とは
陥没乳頭とは、乳輪よりも乳首(乳頭)が凹んでいる状態をいいます。
主な原因は、乳頭の発育不足や乳腺の発達に乳管の発達が追いつかなかったことで乳頭が中に引き込まれていることです。
他に、乳房の大きさよりも乳首や乳輪が大きすぎて陥没乳頭になることもあります。
乳頭を引っ張ったり強い刺激を与えたりすると乳頭が正常に戻る軽度なものは仮性、刺激を与えてもまったく出てこない重度なものは真性に分けられます。
真性の場合は、見た目だけではなく授乳が困難になり乳腺炎のリスクも高くなるため、治療しておくことがおすすめです。
一方、仮性の場合は手術をしなくても授乳が可能なこともありますが、凹んでいる部分に汚れがたまり真性と同様に乳腺炎のリスクが高くなります。
真性・仮性のどちらの場合も、適切な治療を受けておくことが安心ですね。
陥没乳頭は手術で治療可能
陥没乳頭は手術で治療が可能で、乳管を切除する方法と乳管を温存する方法があります。
未発達な乳管を切除し乳頭を持ち上げてその状態で固定する手術は、比較的容易に乳頭を突出させることが可能です。
しかし、乳管は乳汁を分泌している組織のため、切除してしまうとその後母乳が作られなくなってしまいます。
今後、妊娠・出産を希望する方は、乳管を温存する方法を選択しましょう。
手術では、局所麻酔を行うため手術中の痛みはなく、軽度〜中等度の場合は30分〜1時間程度で手術は完了します。
真性の陥没乳頭で複雑な手術になる場合は、片側で1時間以上かかる場合もあるため、事前に手術方法を確認しておきましょう。
また、陥没乳頭が原因で授乳が困難と診断された場合は、保険が適用されます。
対象は40歳未満で今後授乳の可能性がある方となるので、対象の方はクリニックで診断を受けてみてください。
陥没乳頭術後の経過と過ごし方
陥没乳頭の術後の経過は次のとおりです。
術後当日…メイク・洗顔・洗髪・シャワー(乳房が濡れるのはNG)が可能です。固定するためのキャップを患部につけます。
2〜3日後…ガーゼ交換と傷口の確認のために通院します。
7〜10日後…抜糸のために通院します。抜糸後は固定のキャップは外すことができ、入浴も可能になります。
2週間後…腫れや内出血などの症状が治ってきます。
2〜3週間後…乳頭への接触が可能になります。
1ヶ月後…傷口が完治に近づきます。
3ヶ月後…傷跡がほぼ目立たなくなります。
陥没乳頭の治療は、約3ヶ月でほぼ完成します。
傷跡が完全に消えるわけではありませんが、乳輪の凹凸やシワに隠れて目立たなくなります。
術後の経過は個人差が大きいため、完全に落ち着くのは約6ヶ月の期間を見ておくとよいでしょう。
また、陥没乳頭の再発を防ぐために、術後1週間程度は患部に器具をつけて固定します。
さらに、術後に乳頭が圧迫されると再発しやすくなるため、うつ伏せ寝や締め付け感の強い下着の着用は医師の指示があるまで控えてください。
飲酒・喫煙・激しい運動は、傷跡の治りが遅くなる原因なので2週間〜1ヶ月程度は控えましょう。
また、抜糸までは自宅で患部を消毒しガーゼを交換する必要があるので、医師の指示に従ってください。
まとめ
陥没乳頭は術後約3ヶ月で傷跡がほぼ目立たなくなり、完全に安定するまで約6ヶ月と考えておきましょう。陥没乳頭は、見た目だけではなく授乳困難や乳腺炎などのリスクもあるので、手術で治療することがおすすめです。陥没乳頭の症状によって手術時間や術後の経過も変わるため、一度クリニックで診断を受けてみてはいかがでしょうか。当院では、形成外科出身の高度な技術をもった女性院長がすべての施術を担当しますので、安心してお任せくださいね。